どうも。
うたたねこです。
今日は展覧会に出す作品の草稿を少し練っていました。そこで今日はいつもとちょっと趣向を変えて、私が墨象作品を書く時の作り方を紹介します。
あくまで「私の」作り方なので、これが一般的かどうかは分かりません。でもこの方法で100以上の作品を書いてきたわけなので、これも1つの方法だとは思います。それでは早速紹介していきましょう。
まずは用意するもの。1つ目はもちろん書道字典です。これがなくては始まりません。色々な字典がありますが、私は師匠に勧められてこの字典を使っています。
2つ目はノート。私は字典で調べた書体をノートにメモするようにしています。もちろんその場限りということにして、裏紙などにメモしても問題ありません。
でもせっかく調べたわけですから、後々見返せた方が良いかなと思ってこうしています。実際うたたねこオマージュに役立っているわけですから、私の選択は正しかったようですね。
3つ目は筆記用具。私はこの2Bで1.3mmのシャーペンを使っていますが、普通は鉛筆かもしれませんね。とにかく書ければよいので、ボールペンなどでも良いかと思います。
4つ目は裏紙。草稿を練るのにいちいちノートを使っていては勿体ないので、裏紙を使うようにしています。ノートに書くより気楽に書けるのも裏紙の良い所ですね。
そして最後に公式ガイドブックなどの参考資料…はいりません。これは水墨カービィを描くときに必要なものでした。失礼失礼…。
閑話休題。必要なものが用意出来たら、まずは字典で題材とする漢字の書体を調べます。今日の題材は漢字の「平成」。どちらも結構たくさん書体がありました。
題材に「平成」を選んだ理由はこれ。平成もとうとう終わってしまうわけですね。はっきり言ってなかなか難しい題材ですが、何とか作品に仕上げたいところ。
字典で調べた書体をノートにメモ。ある程度文字の形が分かればよいので、似たような書体は省きつつメモしていきます。後々字典も見返せるように、字典のページも一緒にメモメモ。
普段からノートにメモしているよ、という証拠写真。最近書いた「潮騒」「露」「髪」のメモです。このメモも見ながら作品を書くので、ちょこちょこネオカラーが飛んでいたり…。
そして字典を調べ終わったら、思いつくままに裏紙に色々書いていきます。今回はA4用紙4枚分書きました。とりあえず目についた書体を題材に、何か格好良い構成はないかと考えます。
考え方としては、まず題材が2文字以上の時は書体を揃えます。これは師匠から習ったのでそうしているのですが、まだその理由までは理解しきれていません。
書体が異なると文字間の雰囲気が合わないということなのだと思いますが、この辺りの感覚はまだ掴めていませんね。墨象の難しいところの1つです。
もう1つは主役となる部分を作ること。どこか1つのパーツを主役に据え、残りのパーツは主役の引き立て役とします。最も分かりやすい墨象作品の作り方ですね。
主役を作らずにどこもかしこも強い線で書いてしまうと、暑苦しい作品になってしまいます。まぁそれはそれで悪くないかなと、最近は思ったりしているんですけどね…。
いくつか作品になりそうな構成を思いついたので、1つ1つ紹介していきます。恐らくほとんどが没になるので、意外とレアかもしれません。
最初に思いついたのはこれ。草書を使って雷のような感じで書こうかなと思ったり…。2つの雷の部分をくっつけるのか離すのか、これが1番の悩みどころです。
こちらは2文字の縦画を強調した縦長の草稿。これも2本の縦画を繋ぐかが問題です。ちなみに文字と文字の間には余白を作るのが一般的。それに則ると縦画は別々にしなければいけません。
次も草書で、三角形を基調とした構築的な作品です。2つの三角形のサイズや向きなど、上手く調整することが出来れば良い作品になりそうな気が…。
他にもいくつか構築的な作品を考えました。これらは全て篆書を使っています。構築的な草稿は鉛筆で書くとよい感じに見えがちですが、実際は上手くいかないことも多いですね。
これも題材は篆書。今は結構格好良いんじゃないかと思っている草稿です。上手く作品になってくれると嬉しいのですが…。そこは実際に書いてみないと分かりません。
横長の作品も考えてみます。こちらは隷書を使った草稿。横長なので横画を主役とするわけですが…いまいちパッとしません。
こちらは再び草書を使った草稿。かなりデフォルメして曲線を基調とした構成です。でもこの画面構成、最近どこかで見たような…。
…はい、これです。先日書いた墨象「髪」。良い作品が書けたときは、似たような作品を書きたくなりがちだったりしますね。
もういっそシンプルに漢字をそのまま書いてもいいんじゃないかと思ったり…。でも意外と画面構成は悪くなかったりします。一考に値しますね。
今回思いついた草稿はこれくらいでした。ここからは実際に道具を出してきて筆で書いていきます。果たしていくつ成功するのか…。
ということで、今日は墨象作品の作り方を紹介しました。この記事を読んで墨象というものに興味を持っていただければ幸いです。
では。次の更新は6月26日の予定です。
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うたたねこです。
今日は展覧会に出す作品の草稿を少し練っていました。そこで今日はいつもとちょっと趣向を変えて、私が墨象作品を書く時の作り方を紹介します。
あくまで「私の」作り方なので、これが一般的かどうかは分かりません。でもこの方法で100以上の作品を書いてきたわけなので、これも1つの方法だとは思います。それでは早速紹介していきましょう。
まずは用意するもの。1つ目はもちろん書道字典です。これがなくては始まりません。色々な字典がありますが、私は師匠に勧められてこの字典を使っています。
2つ目はノート。私は字典で調べた書体をノートにメモするようにしています。もちろんその場限りということにして、裏紙などにメモしても問題ありません。
でもせっかく調べたわけですから、後々見返せた方が良いかなと思ってこうしています。実際うたたねこオマージュに役立っているわけですから、私の選択は正しかったようですね。
3つ目は筆記用具。私はこの2Bで1.3mmのシャーペンを使っていますが、普通は鉛筆かもしれませんね。とにかく書ければよいので、ボールペンなどでも良いかと思います。
4つ目は裏紙。草稿を練るのにいちいちノートを使っていては勿体ないので、裏紙を使うようにしています。ノートに書くより気楽に書けるのも裏紙の良い所ですね。
そして最後に公式ガイドブックなどの参考資料…はいりません。これは水墨カービィを描くときに必要なものでした。失礼失礼…。
閑話休題。必要なものが用意出来たら、まずは字典で題材とする漢字の書体を調べます。今日の題材は漢字の「平成」。どちらも結構たくさん書体がありました。
書道料理人 うたたねこ@utataneko_blogとある展覧会の募集要項が届きました。そこにあった「平成最後の展覧会です」という一言。
2018/06/11 19:43:31
平成生まれの身として感慨深いですね。他にも同じ考えの方はたくさんいると思いますが、今年は「平成」を題材に墨象作品を書いてみてもいいかなと思ったり…。
題材に「平成」を選んだ理由はこれ。平成もとうとう終わってしまうわけですね。はっきり言ってなかなか難しい題材ですが、何とか作品に仕上げたいところ。
字典で調べた書体をノートにメモ。ある程度文字の形が分かればよいので、似たような書体は省きつつメモしていきます。後々字典も見返せるように、字典のページも一緒にメモメモ。
普段からノートにメモしているよ、という証拠写真。最近書いた「潮騒」「露」「髪」のメモです。このメモも見ながら作品を書くので、ちょこちょこネオカラーが飛んでいたり…。
そして字典を調べ終わったら、思いつくままに裏紙に色々書いていきます。今回はA4用紙4枚分書きました。とりあえず目についた書体を題材に、何か格好良い構成はないかと考えます。
考え方としては、まず題材が2文字以上の時は書体を揃えます。これは師匠から習ったのでそうしているのですが、まだその理由までは理解しきれていません。
書体が異なると文字間の雰囲気が合わないということなのだと思いますが、この辺りの感覚はまだ掴めていませんね。墨象の難しいところの1つです。
もう1つは主役となる部分を作ること。どこか1つのパーツを主役に据え、残りのパーツは主役の引き立て役とします。最も分かりやすい墨象作品の作り方ですね。
主役を作らずにどこもかしこも強い線で書いてしまうと、暑苦しい作品になってしまいます。まぁそれはそれで悪くないかなと、最近は思ったりしているんですけどね…。
いくつか作品になりそうな構成を思いついたので、1つ1つ紹介していきます。恐らくほとんどが没になるので、意外とレアかもしれません。
最初に思いついたのはこれ。草書を使って雷のような感じで書こうかなと思ったり…。2つの雷の部分をくっつけるのか離すのか、これが1番の悩みどころです。
こちらは2文字の縦画を強調した縦長の草稿。これも2本の縦画を繋ぐかが問題です。ちなみに文字と文字の間には余白を作るのが一般的。それに則ると縦画は別々にしなければいけません。
次も草書で、三角形を基調とした構築的な作品です。2つの三角形のサイズや向きなど、上手く調整することが出来れば良い作品になりそうな気が…。
他にもいくつか構築的な作品を考えました。これらは全て篆書を使っています。構築的な草稿は鉛筆で書くとよい感じに見えがちですが、実際は上手くいかないことも多いですね。
これも題材は篆書。今は結構格好良いんじゃないかと思っている草稿です。上手く作品になってくれると嬉しいのですが…。そこは実際に書いてみないと分かりません。
横長の作品も考えてみます。こちらは隷書を使った草稿。横長なので横画を主役とするわけですが…いまいちパッとしません。
こちらは再び草書を使った草稿。かなりデフォルメして曲線を基調とした構成です。でもこの画面構成、最近どこかで見たような…。
…はい、これです。先日書いた墨象「髪」。良い作品が書けたときは、似たような作品を書きたくなりがちだったりしますね。
もういっそシンプルに漢字をそのまま書いてもいいんじゃないかと思ったり…。でも意外と画面構成は悪くなかったりします。一考に値しますね。
今回思いついた草稿はこれくらいでした。ここからは実際に道具を出してきて筆で書いていきます。果たしていくつ成功するのか…。
ということで、今日は墨象作品の作り方を紹介しました。この記事を読んで墨象というものに興味を持っていただければ幸いです。
では。次の更新は6月26日の予定です。
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