どうも。
うたたねこです。

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このブログのメインコンテンツといえば、「墨象作品の紹介」と「カービィのグッズ紹介」の2つ。これまでは基本的に後者へのアクセスが多かったのですが、最近少しだけ変化が…。

中でも「墨象作品の作り方【実践編①】」という記事をよく見ていただいているようです。内容は墨象作品を書く上での方向性についてまとめたもの。うたたねこ自身の備忘録的記事でもあります。

ただ、今になって見返してみるとこの記事だけでは墨象作品は書けないなと…。夏には展覧会も2つ待ち受けているわけなので、1度制作過程をまとめた記事を書いても面白いかもしれません。

「題材選択」→「草稿案出」→「実作」という流れを、1つ1つ何を考えながらやっているのか解説しながらまとめる感じでしょうか。多分かなり時間がかかりますが、頑張っていきましょう。

さて、そんなことを言いつつ今日は墨象作品を紹介。課題用に書いた作品が9枚あるので、何回かに分けて紹介していきます。それではまずは今日の題材から。

今日の題材は…


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題材は漢字の「城」。書体は隷書です。隷書の中でもかなり古いもので、篆書から隷書に移り変わっていく過程の書体なのだとか。この時代の隷書はどれも格好良いので好きですね。

どう見ても旁の部分が「成」ではなく「威」にしか見えませんが、これで間違いないようです。墨象作品なので問題ありませんが、漢字作品には使いにくいかもしれませんね。

今日紹介する3枚の作品は、全てこの書体を題材に草稿を練りました。それぞれ毛色の異なる作品になっているので、お気に入りの1枚を選んでみて下さい。それでは今日の作品です。

墨象No.218「素直城」


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1枚目のタイトルは「素直城」。今回の一連の作品は、全てタイトルを「○○城(じょう)」で統一しようと思います。たくさんのお城を築いていきましょう。

タイトルから分かる通り、1枚目の作品は題材に素直な作品に仕上げました。ほぼ漢字そのままと言っても過言ではありません。線質と墨量の変化で勝負です。

道具は安定の段ボールを使用。お手軽にシャープな線を引いたり、爆発するような墨飛沫を飛ばしたりできる魔法の道具ですね。加えて使い捨てなので片付けも楽チンです。

まずは書き出し部分で叩きつけて墨飛沫を飛ばしました。前回は変なところで墨を飛ばして違和感が生まれてしまったので、今回はしっかり書き順を意識しています。

後は同じような線が出てこないように細心の注意を払いつつ、流れに任せて最後まで仕上げました。最後の縦に伸びている2本の線がお気に入りです。

ここではしっかりと線の太さに変化をつけながら、終筆を最大限細くすることで余白に線が響くようにしました。線の長さがほぼ揃ってしまったのが少し残念。

個人的には結構好きな作品なのですが、上の余白が広すぎたのが悔やまれますね。師匠に見てもらった時に「上の余白が無駄で下の余白が狭い」と言われるのが目に見えます。惜しいなぁ…。

墨象No.219「シンプル城」


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2枚目のタイトルは「シンプル城」。題材に素直に書いた1枚目と比べると、かなりデフォルメと省略をした作品になっています。とはいえ少しシンプルすぎた気も…。

作品の構成は偏と旁を上下に分けたもの。敢えて画数の少ない偏を作品の中心とし、デフォルメした旁を下に添え物として配置しました。こういった天邪鬼な構成も1つの挑戦です。

道具は1枚目と同じく段ボール。シャープな線だけで構成した1枚目に対し、こちらでは力強い太い線も使いました。上の墨飛沫は後から飛ばしたのですが、果たしてうまく馴染んでいるか…。

非常に余白の広い作品となっていますが、特に旁の部分の線を余白に響かせることができているかがポイントです。客観的に見ると、左下の余白が少し寂しいかもしれません。

墨象No.220「飛翔城」


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本日ラストの3枚目。タイトルは「飛翔城」です。意識して書いたわけではなかったのですが、あとから見ると飛び立つ鳥に見えたのでこのタイトルにしました。

こちらは題材の漢字を上からクシャっと潰し、余白をなくして横長にした構成になっています。元々隷書は横長の書体なので、そこをより強調した形ですね。

昔のうたたねこであれば、ここで太い横線を何本か引いて完成としていたでしょう。しかしその頃からは多少成長したようで、色々と工夫を凝らしてみました。

まずはとにかく似たような線質の線が出ないように気を付けます。気を抜くとすぐに同じ線が現れてしまうので、常に注意しなければいけません。

メインとした太い横線は真っ直ぐではなく曲線にし、複数の位置から書き始めることで紙の上を縦横無尽に走り回ってもらいました。左から右へ自然に墨が枯れているのもポイントです。

そしてその横線を支えるために、何本かの縦線を加えて作品に変化を付けました。この作品も右上に追加で墨飛沫を飛ばしたのですが、こちらはまぁまぁ馴染んでいると思います。

道具は変わらず段ボール…ではなく紙を使いました。書き潰しの紙を折ったものに墨をつけて書くのですが、これだけの線が引けてしまうと筆の存在意義を疑わざるを得ませんね(笑)

墨象作品はとにかく自由なのです。自由過ぎて逆に難しい部分もありますが、唯一無二の「うたたねこの作品」を作れるのが墨象の面白いところですね。

では。次の更新は6月20日の予定です。




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